天下に機あり、務(む)あり。
機を知らざれば務を知ること能(あた)わず。
時務(時務)を知らざるは俊傑(しゅんけつ)に非(あら)ず。
この世の中に生じるできごとに対処するには適切な機会があり、それに応じた務めがある。
適切な機会がわからなければ、時局に応じた務めも知ることが出来ない。
それぞれの場に応じてなすべき仕事ができないようでは、才徳のすぐれた人とはいえないのである。
松陰先生が26歳の時、野山獄で囚人たちとの議論をまとめた「獄舎問答」の中の言葉です。俊傑とは才徳が飛び抜けてすぐれている人のことで、松陰先生はその例として諸葛孔明をあげられています。
士の行(おこない)は質実、欺かざるを以て要と為し、
巧詐(こうさ)、過ちを文(かざ)るを以て恥と為す。
光明正大(こうめいせいだい)、皆是れより出づ。
人の行いは誠実で、自分の心に嘘をつかないことが大切である。
うまくごまかしたり、失敗を取りつくろったりすることを恥とするものである。
これが公明正大の出発点である。
松陰先生が26歳の時、甥の玉木彦介の元服を祝して贈った「士規七則」に出てくる言葉です。
松陰先生御生誕日のきのう、松陰神社語り舞台「日本神話への誘い」公演が無事に終了しました。
用意した約500席がほぼ満員になり、写真のようにライトアップされた夜の境内での公演をお楽しみ頂きました。
公演にお越しいただいた皆様、ご協力いただきました皆様にあらためて御礼申し上げます。
今年は、天保元年(1830)8月4日に、吉田松陰先生が御生誕されてから180年の佳節あたります。
それを記念して、女優水野真紀さんによる語り舞台を開催いたします。
水野さんは今回が初の神話語り舞台となります。日本神話「古事記」は、我が国の悠久の歴史を記した神々の物語で、萩がほこる先賢、吉田松陰先生のご生涯とともに語ります。神秘的な夜の松陰神社で、水野さんの語りの世界にいざなわれてください。
・日 時 平成22年8月4日(水) 雨天決行
(傘は使用出来ません、合羽をご用意下さい。当日会場でも販売致します。)
開 場 18:30
開 演 19:00
・会 場 松陰神社本殿前特設舞台
・入場料 お1人様 1,000円
・演 題
吉田松陰先生の志・神武さまの国づくり
・申込先 松陰神社社務所 0838-22-4643
・申込締切 7月20日
・チケット引渡締切 7月25日
※ お1人様、1回の申込とさせて頂きます。
※ 保護者1人につき中学生までの子供1人は無料で入場出来ます(先着100名)。お申込みの際に、確実にお申し出ください。
※ 座席は全て自由席です。
※ チケット引渡の締切日までに入金が無い場合、申込は無効とさせていただく場合がありますので、ご了承下さい。
※ 応募多数の場合は抽選となります。
※ 当選はチケットの引き渡しをもって発表にかえさせていただきます。
志(こころざし)を立てて以て万事の源と為(な)す。
すべての実践は志を立てることから始まる。
松陰先生が26歳の時、甥の玉木彦介の元服を祝して贈った「士規七則」に出てくる言葉です。士規七則の七ヵ条を「立志・択交・読書」の「三端」としてまとめられており、この言葉は「立志」にあたるものです。
冊子を披繙(ひはん)せば、嘉言(かげん)林の如く、躍々(やくやく)として人に迫る。
書物をひもとけば、心にひびく言葉が林のように連なっており、人の心に生き生きと迫ってくるのである。
松陰先生が26歳の時、甥の玉木彦介の元服を祝して贈った「士規七則」の冒頭に書かれたものです。
今日よりぞ幼心(おさなごころ)を打ち捨てて人となりにし道を踏めかし
今日からは、親にすがって甘えるような心を振り切り、ひとり立ちした人間になるために、力強く歩んで行きなさい。
松陰先生が26歳の時、甥の玉木彦介の元服を祝して贈った和歌です。成人を迎えた彦介に、大人としての自覚を促しています。
地を離れて人なく、人を離れて事なし、故(ゆえ)に人事を論ぜんと欲せば、先(ま)ず地理を観よ。
人はそれぞれの土地によって育てられ、その土地の暮らしはそこに暮らす人々によってくり広げられる。だから、人間社会の暮らしや出来事を論じようと思えば、まずその地域の状態を念入りに見きわめなければいけない。
松陰先生が25歳の時、伊豆下田で共にペリーの黒船に乗り込んだ金子重輔に対しておっしゃった言葉です。「学問を為す方」を聞く金子に、先生はこの言葉をおっしゃられました。
凡(およ)そ人の子のかしこきもおろかなるもよきもあしきも、大(たい)てい父母のをしへに依(よ)る事なり。
子どもには、賢い子もおろかな子も、またよい子もそうでない子もいるが、それは父や母の育て方によるところが大きいのである。
松陰先生が25歳の時、妹の千代にあてた手紙の中でおっしゃった言葉です。子育てをする妹に対して、親としての自覚を促しています。
仮令(たとい)獄中にありとも敵愾(てきがい)の心一日として忘るべからず。苟(いやしく)も敵愾の心忘れざれば、一日も学問の切磋(せっさ)怠るべきに非(あら)ず。
たとえ獄にいても、天下の大義をそこなうことについて、いきどおりの心を忘れてはならない。もしも天下の大義に対するいきどおりの心を忘れないのであれば、一日たりとも学問を怠ってはならない。
松陰先生が25歳の時、牢屋の中から知人の小倉健作にあてた手紙の中でおっしゃった言葉です。獄内での自分の心構えを書かれています。